JSK通信

別れのときに!

代表取締役 上能 喜久治

 

広い心・豊かな心を・・・

 

 「別れ」というのは人生に於いては死別や離婚あるいは恋愛中であった二人が何らかの理由で別れることもあります。会社に於いても社員の退職や長年にわたってお世話になった得意先や仕入先等の取引停止などがあります。いずれにしても別れというのは誕生や結婚、取引開始に比べて淋しくつらいものです。しかし残念ながら昨今は離婚率の上昇に代表されるように別れの場面が多くなり、そのときに自分のことはさておいて、相手をののしり、悪口を並べ立て、非難することがあります。別れのときにせめて一言でもご縁に感謝し、今後の相手のご多幸をお祈りすることはできないものでしょうか?

相手が憎いかも知れません。取引先に瑕疵があったのかも知れません。その結果、別れがあり、取引停止があるのでしょう、長所ばかりの人はいません。また、取引をしていて担当者が発注した商品を間違ったり、納期に遅れたりすることもあることでしょう。

このような取引先に罵声を浴びせ、最終の支払をせず、取引を止める。たった一回の間違いで・・・。このような時にその取引先とお付き合いが始まった頃を思い出してみましょう。時には我社のために一所懸命に動いていただいたのではないでしょうか?長年にわたって大変なお世話になったのではないでしょうか?そのようなことに感謝せず、御恩を忘れ、たった一回の間違いで怒りまくる。このような会社、このような経営者を見てきました。人生いろいろで、会社もいろいろです。あなたが経営者ならこのようなことを絶対にしないで下さい。あなたが経営者なら一度の間違い・一度の失敗を許す心の広さを持って下さい。

 

“認める・許す・与える”が心の広さ・心の豊かさを示すキーワードです。

 

 また、取引を止める時に最終金を支払わないという経営者も見てきました。そのわずかな金額を支払わず、得をした、と思っているかも知れません。しかし、そのような経営者はとても大きな損をしていることに気付きません。目先は得をしていても長い目で見ればその失った信用・信頼は計りしれません。この信用・信頼は目には見えません。この目には見えない信用・信頼こそ人も会社も大切にしなければならないものです。

 

 

光輝く人生を!成長繁栄する会社を!

 

 人生においても会社においても別れはあります。しかし、その別れ方が重要なのです。死別はもちろんのこと、離婚する相手に対して、退職していく社員に対して、取引を止める会社に対して、今までの御恩に感謝の言葉を述べ、今後の相手のご多幸をお祈りする。目先の損得に左右されず、小さなことで信用を失わず、あなたが経営者ならそのような心の広さを持ってほしいものです。その心の広さ・豊かさがあなたの人生を光り輝くものにし、あなたの会社を末永く成長繁栄させていくのです。