JSK通信

決断を先延ばしするな!

代表取締役 上能 喜久治


地域も価値観も変わっている!

 

 あなたが経営者であれば、毎日大なり小なりの決断することが求められます。例えば、かつては工場地域であったところにマンションが立ち並ぶようになり、騒音を発する工場等に地域住民から移転を迫られることはよく耳にします。先に工場があり、騒音を発することがわかっていても、後から住むようになった住民の方が強く、訴訟になると多くの裁判で住民勝訴の判決となります。このような時に工場移転をすべきか、現在の所在地で賃貸マンション経営等をすべきか、大きな決断が求められます。このような大きな決断であればあるほど、その決断を先延ばしにするという経営者を多く見てきました。当然、その判断・決断が間違いであれば会社存続さえ危うくなってきます。会社の現状を把握し、業界の将来性を分析し、地域の発展に寄与するような決断が求められます。このような時の判断基準として自社の損得だけではなく、従業員やお客様(得意先)、取引先や地域のことなどを充分に考慮して最終判断を下すことが必要になります。

 

変化に対応できなければその行く末は・・・

 

 かつてはどこの町にもどこの商店街にも酒屋・米屋・本屋などがありました。いずれの商品も重くて持ち帰るのが大変で、定期的に配達してくれました。私は毎月購読している雑誌が来るのが楽しみでした。魚や豆腐も自転車や天秤棒で売りに来ていました。その他定期的にポン菓子や紙芝居もありました。しかし、その多くが姿を消しました。お酒はディスカウントショップ、お米はスーパー、本ならアマゾンというのが普通になってきました。つまり商品は同じであっても購入先や販売方法は変わっていき、その変化に対応していかなければなりません。潮流の変化を見て、潮目を感じたらすばやく対応しなければ生き残れません。しかし、その潮目を感じながらも対応できない、あるいは対応するという決断ができない経営者がいます。そのようなお店や会社の業績は一挙に悪化するのではなく、ゆっくりと下降して行きます。“まだいいか! ”と決断を先延ばしにした結果、業種や業態を変えようとするには時すでに遅く、廃業や倒産に追い込まれるのです。
 時代の変化は速くなっています。しかしその変化を嘆く必要はありません。企業を取り巻く環境は刻一刻と変化しています。そこに大きなチャンスがあるとともに、大きな危機もあります。その環境の変化に対応できない企業は経済活動の土俵から弾き飛ばされます。いつの時代も企業は環境変化適応業です。環境が変化するからチャンスもあるのです。価値観の変化や人口の推移、競合商品の出現や物流の発達などで今、大きな波動が来ています。その変化を嘆くのか、その変化の波に乗るのか、ここが分かれ目です。時代の変化や価値観の多様化に対応して取り扱い商品やサービス、価格、販売方法等を随時、変えていかなければなりません。“変える”という決断を先延ばしにすればゆっくりと、しかし確実に廃業や倒産への道を歩むことになります。