JSK通信

間違いだらけの「経営の常識」!

代表取締役 上能 喜久治


     世の中は常に変化しています。その変化に対応していかなければ業績は低迷します。かつて日本の人口は増加を続けていました。いま、その人口は出生率の低下等により減少に転じています。
 かつて「経営の常識」と言われたものも時代の変化・価値観の変化とともに変えていかなければなりません。しかし、残念ながらひと昔前の経営手法をいまだにしている経営者も少なくありません。

  1.回収は早く、支払は遅く
    この私も最近までこのお話をしていました。いまは「回収は早く、支払も少し早く」です。例えば月末締め・翌月末日払とします。当然、その約束通りに 翌月末日に支払えばいいところを3~5日早く支払うのです。支払資金を当座預金に置いておいても利息はつきません。普通預金に置いておいてもわずかな金利しかつきません。それなら資金繰りさえ余裕があれば少し早めに支払うことで相手はどんなに喜ぶことでしょうか?どんなに安心することでしょうか?仕入先や取引先に喜んでいただくことが今後の取引に大きな恩恵をもたらします。


  2.会社に利益を出すなら役員報酬を上げる
    最近の税制改正で法人の実効税率は38%に下がりましたが個人にかかる所得税率は最高税率を55%に上げる案が上程されています。また給与所 得控除額が245万円で上限となり大幅な増税となっています。会社が利益を出し、その利益を蓄積していかなければ自己資本比率は低く、いつまでも財 務体質は強くなりません。節税も計りながら会社も利益を計上していく必要があります。

  3.正社員は少なくしてパートや派遣社員を増やす
    人件費を下げる、という考えではなく主婦等の雇用機会を増やすことにより社会に貢献する、という考えが必要です。家事や子育てをしながら貴重な 人材を雇用することはその本人にとっても会社にとっても有益なことです。最近ではパート出身の社長も誕生しています。同じことをしながらその考え方で結果も変わってきます。

  その他にも過去の経営常識といわれるものが多くあります。経費を下げれば利益が上がることは単純な引き算で誰にもわかります。しかし経営はそのような単純なものではないところに面白さと難しさがあります。経営環境が変わっても価値観が多様化しても経営者も社員も取引先も、そしてお客様もみんな人です。厳しい経営環境が続く今こそ自社や自分を取り巻く人々のお役に立つ・喜んでいただく、という愛の経営・心の組織が求められています。