JSK通信

長続きする会社

代表取締役 上能 喜久治

目には見えないが・・・

 

 「長続きする会社が多い国はよい国だと思う」という生命保険会社のCMがあります。それではどうすれば会社は長続きするのでしょうか?以前から企業30年説があります。これは創業者が設立した会社を二代目に引き継ぐことの難しさを表しているとも言えます。創業者が二代目に是非教えてほしいことは信用の大切さと感謝の心です。
 時間を守る。約束を守る。納期を守る。実に単純で誰にもできるようなことが出来ていない会社やお店が多いことに驚きます。支払いの期日や金額さえ守らない会社がどうして信用できるでしょうか!得意先から入金がないから支払いをしない、という社長がいます。そのことでその会社やその社長に対する信用がどんどんと下がっていることに気付かないのです。建設業界では見積もりの時に値引きされ、支払いの時にまた値引きされる、と聞きます。約束をして合意した支払期日や支払金額はどんなことがあっても支払わなければならないのです。契約書があろうが口約束であろうが約束は守らなければならないのです。言い訳をしてその支払期日に支払わず、難癖をつけてその支払金額を値引きしたり、支払わなかったりすることがその会社や社長に対して信用を下げていることが見えていません。信用は目には見えません。信用を培っていくのは一歩一歩です。信用は貸借対照表や損益計算書の決算書には表せません。目には見えません。だからこそ何よりも大切に、大事にしなければならないのです。

 

信用と感謝のこころ

 

 信用と同じように目には見えませんが大切なものが感謝の心です。お蔭さまで、という謙虚な姿勢です。今の会社があるのは誰のお蔭でしょうか?あなたを今日まで育てていただいた親であり、あなたを今日まで支えていただいた奥様であり、献身的に働いてくれた社員やスタッフであり、取引していただいているお客様であり、仕入先であり、取引銀行であり、地域の人たちです。そのように多くの人に支えられて今の会社があり、今のあなたがいます。その感謝の心を持ち続けるとともに、その感謝の心を形にすれば相手に伝えることができます。親や奥様に対しては感謝の心を言葉にして手紙やプレゼントを、社員やお客様に対しては感謝状や記念品を贈呈します。「ありがとうございます」「感謝しております」という言葉とともにその想いを感謝セールや感謝デーを設けて形にすることもできます。
 長く続く会社とは大きい会社ではなく、強い会社でもありません。信用を大切にし、感謝の心を持ち、それを後継者にしっかりと伝え、実践している会社です。そのような会社こそが支持され、応援され、“大切にしたい会社”となり、長く続く会社になっていきます。