JSK通信

税金を払いたくない!?

代表取締役 上能 喜久治

高額納税者には感謝状の贈呈を!

 

 「決算書の見方がわからない。」「財務指標から我社の強み・弱みを知りたい。」などの言葉を経営者からよく聴きます。そのような経営者が口にする次の言葉は「できれば税金は払いたくない!」という声です。私が会計事務所を開業して以来、多くの会社・多くの経営者を見てきました。その中で「税金を払いたくない!」と言う経営者の会社はその通りの会社になります。つまり赤字の会社であり、資金繰りの苦しい会社になります。「もっと税金が払える会社にしたい。」「納税を通じて社会の繁栄に貢献したい。」と経営者が願えばそのようなすばらしい会社になります。どれだけ多額な税金を納めようと国も税務署も何もしません。その会社の全員が汗を流し、努力し、工夫して稼いだ利益に対する税金です。それに対して国も税務署も感謝の言葉一つもありません。せめて一定額以上の納税や一定率以上の増益に対して感謝状を贈呈すればもっと納税意識が高まるのではないか、と思っています。企業にとって納税は最大の社会貢献であるにも拘わらず、多額な納税をしても何の反応もありません。当社では一定額以上の高額納税をされた個人や法人に対して感謝状と記念品を贈呈していますが、本来、国や市町村が高額納税者に対して「感謝の集い」を催したり、「感謝状」を贈呈してほしいものです。決算書は経営者の通信簿と言います。通信簿に担任の先生から「よくがんばりました。」というコメント一つでうれしかったものです。どのような商売でも“もっと喜んでもらいたい。”“もっとお役に立ちたい。”と思っています。どうしたらもっと喜んで納税していただけるのか、を国も市町村も真剣に考える時ではないでしょうか?

 

どうすれば金利が下がる?どうすれば担保不要になる?

 

 多額な納税は出金が伴いますがそれ以上に良いことが多くあります。それは利益から納税額を引いた金額は貸借対照表の純資産となり、自己資本比率を高めます。つまり財務体質が強くなり、安全性が高まるのです。そして更に良いことが続きます。銀行からの借入金の金利が安くなったり、無担保・無保証人で借入することができるようになってきます。結果として安い金利で資金が調達できたり、保証協会に支払う保証料が不要になったり、担保設定費用がいらなくなります。当社は銀行での決算報告会の開催を推奨していますが、「自己資本比率が何%になれば金利をこれだけ下げましょう。」「来期もこれだけの利益がでれば担保を外しましょう。」と言ってくれる支店長や融資課長は皆無です。そのような言葉を銀行からいただければ経営者はそれを目指してがんばるのに・・・。そのようなことは本店決済事項だから、あるいは自分に責任が及ぶから言わないのでしょうか?

 国も市町村も銀行ももっと納税者や取引先の立場に立って行動すれば税収も増え、優良な取引先が増えるのではないでしょうか?