JSK通信

現在・過去・未来

代表取締役 上能 喜久治

過去はもう過ぎ去った!

 過去の延長線上に将来があるのではありません。過去の業績の推移や過去にやったことの振り返りや反省から入るから現在を嘆くのです。将来を憂えるのです。過去は過去です。もう過ぎ去った過去です。過ぎ去った過去を悔やんでも嘆いても、もう元には戻りません。それよりも大切なことは今をどう生きるかです。今をどう生きるかは将来、どのようになっていたいのか?つまり将来、なりきった会社を、お店を、工場を思い描くのです。その姿を思い描くのです。将来から現在を見るのです。未来のあなたが過去を振り返ってこうつぶやくのです。「あの時に実行したあのことが今、このようになって花が開く。」「今、こうしてあるのはあの時にみんなでやったから、みんなで努力したからだ。」
 多くの経営者は今までの自社の業績の推移をみて今期に実施する計画を立てます。あるいは今までの業績の延長線上に中長期のビジョンがあります。銀行の融資担当者は過去の決算書を見て融資を決定します。違うのです!全く違うのです!将来、このような会社にしたいから、今やることが見えてきます。今やらなければならないことがわかります。会社を取り巻く環境は今、すごい勢いで変わっています。あなたはいつまでそのように過ぎ去った過去に目が行くのですか?あなたはいつまで過去の成功体験に酔いしれているのですか?

自分のこれからの人生を、自分の会社の将来を思い描け!

 先日、当社の顧問先の社長からすばらしいお話をお聴きしました。
「私は88歳でこの世と別れを告げます。沖縄でハーレーダビッドソン(二輪車)に乗っているときに道路の横から子猫が飛び出してきて、それを避けようとしてハンドルを切ったら飛んで沖縄の海に落ちて亡くなります。私の葬儀には二千人の参列者があり、厚生労働大臣が弔辞を読んでくれます。」
 その社長は薬店を経営されていますが、30兆円にものぼる医療費の削減に業界をあげて取り組まれています。自分の葬儀に厚労相に来ていただくには今、何をしなければならないのか、が見えてきます。わかってきます。驚くことになんと、その社長は二輪車の運転免許証も今はまだ持っておらず、ハーレーにも乗ったことがないのです!
 自分や自社のことだけではなく、このように業界のことを想い、国家のことにも目を向けるのです。“我社さえ儲かればいい” “自分さえよければいい”という会社や経営者にはいつまでも将来は思い描くことができません。いつまでも将来の女神はほほ笑みかけません。あなたの人生の、家族の、会社の、業界の、地域の、国家の、地球の将来を想い描いて下さい。

 すばらしい将来、輝かしい未来にするために、さあ、動こうではありませんか?