JSK通信

機械や商品に語りかけよう!

代表取締役 上能 喜久治

篤農家と名職人の共通点!

 おいしい野菜や果物を作る人や牛や豚の家畜をりっぱに育てる人を篤農家(とくのうか)と言います。その篤農家と言われる人たちの共通点は自分が育てている野菜や果物・家畜を見ただけで“いま、何を欲しがっているのか?”“どうすればそれらが喜ぶのか?”が瞬時にわかるのです。また、毎日、それらのものに対して慈しみ、語りかけるのです。
 以前に一本の苗から一万個以上のトマトを栽培する篤農家のお話をお聴きしました。水耕栽培の器械を開発されたその人はこう話されていました。「この器械で栽培すれば誰でも多くのトマトが採れるわけではありません。そのトマトと話ができるようになる必要があります。」植木職人はその手入れをする松に、旋盤工などの職人はその機械に語りかけ、話ができるのです。植物や動物だけでなく、機械や道具に語りかけ、話ができることが篤農家と名職人の共通点です。
 自分の愛車を「セブン号」と呼ぶ友人がいます。彼の家族は夫婦二人と子供四人の六人家族です。七人目の家族という意味でセブン号です。新車が来れば家族全員で“入車式”をします。「あなたは私たちの七人目の家族です。あなたと共にいっぱいの楽しい思い出をつくっていきましょう!」と言ってその車を迎えます。その彼はなんとずっと無事故無違反です。

商品や土地にも話かける!

 あなたの会社が製造業なら出来上がった製品を出荷するときに「多くの人のお役に立って下さい。」と語りながら一礼をして見送って下さい。それだけでその製品の品質はさらに向上し、その製品は飛ぶように売れていきます。
 十三年前に当社の近くの国道一号線沿いの角地に誰も使っていない五階建てのビルが建っていました。「こんないい場所になぜ誰も使っていないビルがあるのだろう?」と思っていました。“土地が泣いている”そう感じていました。そのビルの前を通るたびに“好きやで!好きやで!”と言っていました。「上能さんが話をされていたあの場所が、あの土地が今、売りにでていますよ!」と銀行から話があり、その土地を取得することができました。
 売上を上げる・利益を出す・品質を高める・技術を磨く。そのためにノウハウやテクニックを学ぶことも決して無駄ではありません。だたし、経営はそれだけではありません。あなたの会社や工場・お店に入る時や出る時に一礼をする。機械を動かす時に「今日も一日、よろしくお願いします。」と語りかける。トイレを使えば便器や水に感謝する。そのようなことの実践があなたの会社が、お店が多くのお客様・得意先等から支持され、繁盛していきます。