JSK通信

助け合いの精神

代表取締役 上能 喜久治

 

新年明けましておめでとうございます。

 

赤字だから廃線!?

 

 昨年の12月4日に北海道の留萌線の留萌と増毛間の路線が廃止されました。赤字路線とレッテルを貼られ、経済的合理性で次々と地方の鉄道路線が廃止されようとしています。かたや東海道新幹線に代表されるように、大都市間を結ぶ新幹線や都市近郊路線では大幅な黒字を計上し、JR東海の売上高営業利益率はなんと30%を超えています。地方に鉄道が敷設された時、地元の人々は大いに喜び、工事に携わった人たちの労をねぎらい、感謝の意を表したことでしょう。大変な難工事もあり、犠牲者も出たことでしょう。せっかく敷かれた鉄道を赤字路線ということだけで廃線にすることは、先人に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになります。鉄道会社は適正利益を確保しながら黒字会社・黒字路線から地方の赤字路線存続のために何とか補填できないものでしょうか?例えば福島第一原発は東京電力の所有であるにも拘わらず、その廃炉処理費用や損害補償費用等の莫大な金額は他の電力会社だけでなく、新電力の会社にも負担を求めています。この考え方は一見、おかしいようにも思いますが、その背景には日本の古来の「助け合いの精神」があります。つまり、困っている時はお互いさまで、困っている人や地域を助け合ってきました。黒字路線で得た利益を赤字路線の補填に使えば廃線にすることなく、存続できるのではないでしょうか?

 

都会選出の国会議員ばかりになる!?

 

 同じようなことが国政選挙でも言うことができます。「一票の格差是正」ということで先の参議院選挙では初めて鳥取県と島根県、高知県と徳島県が合区されました。これは一票の重みと言う観点からは平等かも知れません。しかしこれでは人口の多い都会選出の国会議員が増え、地方選出の国会議員の数が少なくなっていきます。アメリカの下院は州ごとの人口により435名の定員が決められています。しかし上院では各州2名の定員で選出され、50州で100名が上院議員として活躍しています。この方法を見習えば衆議院では人口割、参議院では47都道府県の各県割、としたほうが地方の意見も反映されるのではないでしょうか?国政選挙のたびに弁護士を中心としたグループから選挙無効の訴訟があり、最高裁も“違憲”あるいは“違憲状態”という判決を下しています。法の下の平等を定めた現行憲法でそのような判決になるのであれば、憲法を改正してもよいのではないでしょうか?個人主義や平等主義がまかり通り、数多くの権利が謳われている現行憲法を改正し、“権利には義務が伴うこと”や“平等と公平とは異なること”、“親を大切にし兄弟は仲良くし「助け合いの精神」で世界の繁栄と平和に貢献すること”等を憲法にはっきりと書き記してほしいものです。

 

今年も皆様にとって幸多き年となりますよう心から祈念申し上げております。