JSK通信

サービスの心

代表取締役 上能 喜久治

東京ディズニーランドにて

少子化の影響もあるのか、宝塚ファミリーランドやあやめ池遊園地などが閉園に追い込まれました。そのような中にあって勝ち組の最右翼はやはり東京ディズニーランド(TDL)です。年間入場者数は2,200万人、その97.5%が二回目以上のリピーターで占められています。「もう一度行きたい」と思わせる魅力がTDLにはあるのです。


次のような話があります。ある若い夫婦二人がTDLのレストランでお子さまランチをオーダーしました。ウエイターは「申し訳ございません、お客様。お子さまランチは9歳以下のお子さまに限らせていただいております。」とその二人に謝りながら言いました。「そのことはわかっています。実は・・・」と話し始めました。「私たちには今年二歳になる子供がいました。昨年、その子を亡くし私たち夫婦は悲しみに暮れておりました。今日はその子の一回忌で、連れてきてやりたかったTDLに来ました。お子さまランチは実はその子のためにオーダーしました。」その話を聴いてウエイターは「それでは少しお待ち下さい」と言って他のスタッフに何やら指示しました。二人席に座っていたその若い夫婦に「お待たせいたしました。それではこちらのテーブルにお越し下さい。」と言ってその夫婦を四人席に連れていきました。そのテーブルの一つの椅子はお子さま用の椅子になっていました。そしてオーダーされたお子さまランチはその椅子の前に置かれました。

若い夫婦からの感動のお手紙


後日にその夫婦からお礼の手紙がそのスタッフの元に届きました。
「皆様のおかげですばらしい感動的な一回忌をおくることができました。三回忌以降には弟・妹を連れて毎年、TDLに出かけるつもりです。ありがとうございました。」

TDLに多くのリピーターが訪れる背景にはこのような話が数多くあるのです。スタッフ一人一人の機転・気配りでその店・その会社が大きく発展していきます。

“あなたがしてほしいと思うことをお客様のために行うこと”

このことがサービスの心です。いま、この状況、この場面で自分は何を言い、どう行動すればよいのか?人に喜ばれること・感謝されることのすばらしさを実感したスタッフはまた、他の人にも喜ばれたい・感謝されたい、と思います。そのことが働き甲斐・生き甲斐になっていきます。