JSK通信

“くやしさ”をバネに!

 

代表取締役 上能 喜久治               

 

去る5月12日(木)、金沢市にある会宝産業株式会社に、当社主催の「日本一セミナー」で訪問させていただきました。

 会宝産業株式会社にお伺いしてまず、一番に目に留まるのが「宣言 あいさつ日本一!きれいな工場世界一!」という看板でした。工場内を見学していると、出会う社員の人みんながサッと立ち止まって「こんにちは!いらっしゃいませ!」と明るく、元気よく、大きな声が響きます。宣言通り、まさしく「あいさつ日本一!」の会社です。

 

また自動車解体業と言えば床は油だらけ、そして山積みのポンコツ車が当たり前と思っていました。ところが、会宝産業はそんな固定観念を一変させます。宣言通り、きれいです。整理整頓が行き届いています。中古車から取り出したハンドルやエンジンが、整然と棚に収まっています。

 

入庫した車種の異なる数多くの車が、広い駐車場に置かれていました。なんと、なんと、その駐車の位置を見てビックリしました。前のボンネットの位置が、見事に、きれいに揃っています。この一見、何でもないことが他の多くの会社では出来ないのです。「駐車位置を揃えたところで売上が上がる訳ではない」それは素人の考え方です。“揃える”ことが業績にも反映するのです。

 

「ポンコツ屋」「クズ屋」そう呼ばれるのが悔しくて“なんとかこの業界を誇りあるものにしたい!!”近藤会長のその強い念いをバネにして現在の会宝産業があります。

 

37歳から60歳まで酒もタバコもゴルフも一切やらずに、この業界を、この会社をすばらしい業界に、すばらしい会社にしたい!その強い信念が礎になっています。

 

 もうひとつ、私が驚いたのはKRAという在庫管理システムです。入庫してきた車をエンジンやシートという部品と、鉄・アルミ・硝子などの資材に分けます。部品は、日本車が活躍している世界80カ国以上に輸出されています。その部品一つ一つがどの車のものかが判り、一台ごとの利益も算出されます。在庫管理こそ宝の山です。専門家の私が見てもとても難しいと思われる在庫管理を徹底されていることに、深く敬意を表します。

 

私たちが今、目にするのは立派になった会宝産業です。しかし今日に至るまで数多くの苦難や障害があったはずです。しかし、温かで、優しくて、穏やかな表情の近藤典彦会長を見ているとまるでそのようなことがなかったかのような、仏のような近藤会長がそこにおられます。

 

 遠路アフリカからお帰りになったばかりの日に疲れも見せず、明るくイキイキと語られる近藤会長のその姿は、まさしくきらきらと輝く宝そのものでした。会宝産業はそこに働く社員に、仕入のお客様に、バイヤーに、同業者に、地域に、幸せと元気を提供する宝の会社です。訪問した我々こそが会宝産業という大きな宝に出会った、と感じました。